リフレクソロジ=足裏健康法

足裏療法について

足の不調は全身の不調につながる

足裏は、鏡のように身体の真実を物語ります。
まずは、私の身近で実際にあったエピソードからお話ししたいと思います。


イギリス人の友人で、クローン病という腸の難病を患っている女性がいます。クローン病とは、腸壁に炎症が起こり、ひどい腹痛や下痢、発熱などに悩まされるという原因不明の病気です。彼女は、子どもの頃に発症して以来、現在もこの病気と闘っています。
彼女は、私がイギリスのリフレクソロジー・スクールに留学していたときの同級生なのですが、子どもの頃から、何かにつけて足の小指の下のほうを刺激していたといいます。
公園でも、ジャングルジムや小石で常にそこに刺激が伝わるように工夫して遊んでいたそうです。ところが、あるとき、リフレクソロジーのフットチャートを見て、自分がいつも無意識に刺激していた場所が実は腸の反射区で、まさにクローン病が発症している部分と一致していたことを知って大変驚いたというのです。つまり、彼女は普段から無意識に、炎症を起こしている部分をケアしていたことになります。「人間の本能的な行動にすごく感動した」と彼女はリフレクソロジーを学び始めたきっかけをいきいきと話してくれました。
また、私たちのスクールで学んでいる受講生の中にも、フットチャートを見て、「いつも気がつくと、足の親指のつけ根あたりを押したりしていたけれど、ここは首の反射区だったのですね。私は首筋が本当に硬くていつも辛いのですが、本能的にこの反射区を知っていたのかしら」などと、身体の不思議に驚かれる方がたくさんいます。
皆さんもフットチャート(口絵)と自分の足の状態を照らし合わせていくと、

「わあ、ここが胃の反射区だったんだ」
「私の一番の弱点はやっぱり目だったんだ」

というように、自分の身体に対して新たな発見があると思います。



このように、足裏に全身が反射投影されているということは、足の反射区と、対応する臓器、器官は切っても切れない関係にあるということになります。
肩が凝って疲れたときに足裏を触ってみると、小指の下の肩の反射区が硬くなって、痛く感じるはずです。逆に、先の尖った窮屈な靴を履き続けることによって、小指の下に摩擦が加わると、それが原因で慢性的な一眉凝りが引き起こされるというケースもあります。

ここで、足と身体の連動を示す例をご紹介しましょう。
靴と共に歩んできた歴史が日本よりもはるかに長い欧米諸国では、足の健康に対しても並々ならぬ関心をもっており、リフレクソロジーに関する研究も盛んです。
リフレクソロジーの世界では、二年に一度、世界各国からリフレクソロジストたちが集
まり、日頃の研究成果を発表し合う大きな世界大会が開かれます。
三年ほど前、ヨーロッパで開催されたある国際大会で、医師でもあるリフレクソロジストが、「骨粗霧 症と外反母班の関係」というテーマでスピーチをしました。

 

外反母趾

外反母趾

外反母吐は足の親指が大きく外側に湾曲してしまう病気、骨粗霧症は骨の密度がどんどん薄くなって骨がもろくなるという、閉経後の女性に多い病気です。この二つの症状は一見まったく関係がないように感じられますが、この医師はリフレクソロジストでもあるので、骨粗霧症で来院する患者さんの足を必ずチェックしていました。すると、外反母班を併発している人の割合が大変高かったというのです。


外反母跳になると、足の親指の根元が主にダメージを受けます。これは、つま先の細いハイヒールなどを履くことによって外側から力が加わり、親指が湾曲するため、親指の下の部分がつぶされてしまうからです。
親指の下のエリアは、実は副甲状腺の反射区です。副甲状腺には、血液中のカルシウム濃度が落ちてくると、骨から血液中にカルシウムを動員したり、尿として排世するカルシウムを抑えるなど、血液中のカルシウム濃度を調整する働きがあります。しかし、このバランスが乱れると、必要以上に骨から血液中にカルシウムを動員してしまいます。そのため、骨がどんどんスカスカになってしまい、骨粗霧症になる可能性が高くなるという非常に興味深い話でした。